大学受験は「独学」で乗り切れるのか(想定すべきリスクとは?)
2023.12.1
大学受験において、塾・予備校に頼らず、独学のみで成功させることはできるのでしょうか?
この記事では独学を考えている人に「独学のリスク」をお伝えしたいと思います。
是非検討材料のひとつにしてみてください。
独学のリスク① 非効率になる可能性
独学のリスク② 心を病む可能性
独学のリスク③ 情報が入ってこない可能性
◆独学のリスク① 非効率になる可能性
効率的な勉強とはどのようなものでしょうか?
「正しい方法で」「正しい勉強内容を」「正しいペースで」「正しい科目バランスで」「正しい復習タイミングで」勉強を進めていくことかと思います。
しかし独学で上記を実現することは、なかなか大変です。
「正しい方法」は時間をかければ見つかるでしょう。ネット上の勉強法などを参考に、しばらくそれを試して検証し、効果が出そうであればそのやり方を貫けばいいと思います。
ただ、勉強のペースやバランスに関して、自分で正解を見つけるのは極めて難しいことです。
受験に使用する科目は複数ありますので、それぞれにかける時間のバランスを考えなければなりません。それには一般的な正解はなく、自分のことを客観的に分析したうえで検討しなければなりません。
勉強内容についても独学でやっている人は過不足が発生しがちです。
全ての範囲を網羅できていない人、逆にそれほど入試で問われない無駄な範囲に時間をかけすぎる人も散見されます。
独学は非効率となる可能性が高いです。
効率を高めるためには、例えば何年も受験勉強と関わっているプロなど、自分のことを客観的に見てくれて、効率が上がるアドバイスをしてくれる存在がいたほうがいいでしょう。
◆独学のリスク② 心を病む可能性
1度受験をしたことがある浪人生なら分かるかもしれませんが、受験においてメンタルコンディションは勉強と同じぐらい重要です。
もちろん入試本番の緊張や不安などもありますが、それまでの過程(=受験勉強中)にもメンタルが大きく影響をします。
そして独学は、メンタルに悪影響を及ぼすことのほうが多いのです。
独学は常に不安との戦いになると思っておいてください。
「自分の今の勉強方法・内容は正しいのか?」「このままやっていて成績は上がるのか?」
など、勉強中(=プロセス)でも日々不安がつきまといます。
さらに模試などの成績(=結果)が悪かったときにも、そのすべてを自分だけでうけとめなくてはなりません。「やっぱり自分の勉強は間違っていたんじゃないか?」「このまま成績が上がらなかったらどうしよう?」と自分を疑い始めると、どんどん不安は大きくなって飲み込まれます。
結果的にさらなる悪循環に陥る危険性が高いのです。
さらに浪人生の独学に関しては、ここから「人とのコミュニケーション」もなくなります。気分転換や不安解消において、友人や自分と同じ受験生と話をすることは効果的なひとつの方法です。
それがなくなると、世界には「自分と勉強」しかなくなり、その勉強が少しでもうまくいかなくなると自分の気持ちごと潰れてしまいます。
◆独学のリスク③ 情報が入ってこない可能性
塾・予備校に通っていると「情報」が得られます。
・自分の立ち位置(=周りの生徒の情報)
・自分に合った勉強方法・内容(=講師からの指導)
・進路・出願戦略の情報
・その他周りの受験生や講師とのやりとりから得られる情報
上記は受験を乗り越えるうえでとても大事な情報です。
今現在の自分の成績はどの程度で、周りはどういう状況なのか。これを知ることは自分をモチベートしたり、作戦を立て直すときに必要不可欠な情報です。
また講師からの指導も(塾や講師にもよりますが)主に「自分一人では気づけないこと」に気づくための重要な情報です。わかりやすい例としては、自分の解答の添削を自分でしたところで間違いをすべて抽出できないことが多いのですが、第三者に見てもらうことで気づくことや知ることは格段に増えます。
そして出願にあたっての情報も超重要です。
志望度の高い大学は受けるのは間違いないとして、その併願や滑り止めをどこに設定するかは大切なことです。
それを決めるためには、まず、自分自身の実力を正確に把握していなければいけません。
そして昨今複雑化している入試制度をしっかり把握し、その中で自分の実力や科目の得意不得意に合わせた出願校を決めていかなければなりません。
はっきり言って、独学でやってきた人は自分の実力も正確に把握できていないうえ、見合った大学学部を選ぶこともできていません。
ここでもやはり自分を客観的に見てアドバイスをくれる第三者の存在が不可欠なのです。
以上のことから、独学には塾・予備校費用がかからないというメリットはありますが、それを大きく上回るデメリットがあるため、基本的にはオススメできません。
独学で成功する人は中高一貫校で6年間上位に居続けたような人でしょうか。
つまり「自分なりの勉強方法が確立している」「勉強習慣がある」「その環境下で実際に好成績を収めることができている」ような人は独学を継続して問題ないでしょう。
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