受験生の夏休みの勉強計画の立て方【効率的に勝負の夏を過ごそう】
2023.11.7
特に高3になると学校でも塾でも「勝負の夏だ!」「夏休みはめちゃめちゃ重要だ!」などと言われることと思います。
「またまたそんな~教師が盛って話してるんでしょ」と思う人もいるかもしれません。
確かに盛って脅すような大人も中にはいますが「夏が勝負の分かれ目」という話は紛れもない事実です。
夏がなぜそれほど大切なのかについては、余談として最後に書いておきます。
まずは本題の「夏休みの計画の立て方」について紹介していきましょう。
<Point>
①『習慣化』がカギになる
②7月中はスケジュール調整期間にする
③8月はひたすらルーティンで突き進む
①『習慣化』がカギになる
受験勉強において非常に重要な心がけが『習慣化』です。
習慣化を言い換えると「脳や心をいちいち使わずに勝手に勉強が実行できるようになる」ことです。
例えば、自分がお風呂に入るときのことを想像してみてください。
「今日は頭から洗おうかな?いや、身体からかな?」と毎日迷う人はいますか?
恐らくみなさん風呂場に入ったら、ほぼ勝手に手が動き、いつも通りの順番で全身を洗っていくのではないでしょうか?
毎回毎回手順を考えていたら疲れますし、非効率が発生します。
受験勉強も同じです。
勉強を始めるとき「今日はどこで勉強しようかな」「何をどれぐらいやろうかな」「ああ、やりたくないな、どうしようかな」と、様々なタイミングで脳や心をつかっていちいち考えている人が多いようです。
毎回勉強内容や順序を考えたり、やろうかどうか自分の意志を奮い立たせたり、そんなことをしていると無駄な時間が発生しますし、なんなら挫折するタイミングを自分で自分に与えているようなものです。
ということで、自分の勉強を習慣化しましょう。
いちいち考えなくていいように、なるべく『ルーティン』をつくるのです。
スケジュールの「型」をつくり、そこに自分をはめるのです。
具体的に、簡単なところで言えば、
・毎朝同じ時間に起きる(同じ時間に寝る)
・勉強開始時刻は毎日同じにする
・毎日同じ場所で勉強する
・朝一から昼過ぎぐらいまでの勉強内容は毎日固定のインプット系で
・夕方はアウトプット系やWant項目の勉強で少々自由度を持たせて
まずは最低限これらのことを守りましょう。
勉強が捗らない人の多くが「開始時にもたつく」傾向にあります。
また、モチベーションの高い日だけ超早起きをしてみたり、逆に寝坊してみたり、生活リズムがバラバラな人も日々の集中力が低い傾向にあります。きっと心当たりがある人が多いでしょう。
起床時間が決まったら、勉強開始時間を決め、毎日それを守ります。1週間続けることができれば、その後は習慣になっていくはずです。
スマホのアラームをかけるなど、自分が次の行動に移りやすい工夫も取り入れてください。
そして朝から昼過ぎまでは毎日同じ教材の勉強をしてください。主にインプット系がオススメです。
Studyコーデの私大文系受験生であれば
①読込90分 ②単語30分 ③文法45分 ④社会教科書120分 ⑤漢字・古文単語30分
などでしょうか。これでとりあえず5時間ぐらいですね。
毎日同じ順番、同じぐらいの時間配分で実施し、身体にこの習慣を染みつけさせましょう。
インプット系の勉強をひたすらやっているとさすがに疲れてきます。
午後(夕方以降)はアウトプット系を取り入れ、テンションを上げていきましょう。
⑥英語初見長文2題 ⑦英文解釈2題 ⑧社会共通テストへの道2ページ ⑨学校の課題
など、ここは色々なパターンがあるかと思います。
そして就寝前には再度インプットをしましょう。
⑩読込60分 ⑪社会教科書30分 ⑫暗記物の高速反復30分
午前中の記憶を1度呼び起こし、強化してから寝ることで、就寝中に脳の海馬で記憶の整理と強化をしてもらいましょう。
②7月中はスケジュール調整期間にする
①でスケジュールのモデルと考え方を示しましたが、いきなり上手に計画は立てられません。
ここで非常に重要なことが「計画の振り返り→再計画でブラッシュアップ」という流れです。
多くの高校が7月下旬には夏休みがスタートすると思いますが、夏休みの最初の1、2週間=7月いっぱいぐらいは、自分の日々の計画を改善するための期間だと考えておきましょう。
ここで大事なことが「計画表を毎日書く」ことです。
①勉強内容 ②所要時間
の2項目に関して
・前日の夜、寝る前に計画表を書いておく
・当日の夜、その日の振り返りをし、改善点を加えて翌日の計画表を書く
という作業を繰り返すのです。
すると「自分は〇〇の勉強に、大体〇〇分かかる」「計画通りいかないのは〇〇なときだ」などと自分の特徴や弱点が認識できるようになってきます。
それが分かれば、それを見越した計画を立てることができ、どんどん自分にとって最適で効果的な計画を立てて実行できるようになっていくのです。
こんな風に、自分なりの計画(習慣)は試行錯誤しながら徐々に創りあげていくものだという感覚を持っておいてください。
7月中はこの「自分にベストな勉強計画」を作り込むことを意識しましょう。
③8月はひたすらルーティンで突き進む
7月中に自分のルーティンがうまく作れれば、8月はそれをひたすらまわすだけです。
本当に習慣化すれば、お風呂のような状態にまではいかなくても、ストレスなく勉強を開始し、次の勉強に移り、1日の終わりには充実感を感じながら眠りにつくことができるようになります。
時には外部要因によって、このリズムが壊されることがあるかもしれません。
例えば友人から誘いがあって、ちょっと遊びに出かけてしまったり、寝坊をして計画が破綻してしまったりすることもあるでしょう。
そんなときは「その翌日の自分の行動」をとにかく大切にしてください。
過ぎた時間は戻ってきませんので、うまくいかなかったことを引きずっていても仕方ありません。
翌日からはまた自分のルーティンにしっかり戻るぞという強い意識で取り組んでください。
ここで余韻に浸っていたり、グダグダ後悔したりしていると、それをきっかけに習慣は簡単に崩壊していきます。
1度遊びに行ったことで気持ちが緩んでしまい、なかなか元に戻れないという生徒を何度も見たことがあります。
ここは気をつけましょう。
以上、夏休みの勉強計画の立て方について、心構えのような内容を踏まえて紹介しました。
是非自分のルーティンを確立し、夏を飛躍のタイミングにしてください。
【余談 : なぜ「勝負の夏」などと言われるのか】
簡単な話です。夏休みの時間を使い「一部の本気の受験生が、本気の勉強量をこなし、成績を爆上げさせる」からです。
つまり「同世代の受験生がどんどん頭良くなっちゃう時期」が夏なのです。
仮に普段の学校がある時期に1日4時間ぐらい勉強していたあなたが、夏休みは1日8時間ぐらい勉強したとします。
あなたは本気です。実際普段の2倍の勉強をしているわけで、よく頑張っています。
でもあなたは受験で負ける可能性が高いです。
なぜか?
なぜならば全国には夏に1日12時間の勉強をしている人がザラにいるからです。
「でも、自分の周りの友達と比べたら、自分は結構やっているほうだ!」
いいえ、視野が狭すぎます。自分が戦う相手を全然想像できていません。
あなたが戦うのは同世代の全国の受験生です。
そしてその中には1日12時間を平気でこなしている人が多数存在するのです。
さらにそれが30日とかあるわけです。
1日4時間の差が、30日分あったら・・・・そうやってどんどん差を広げられてしまうのが夏休みという時期なのです。
まずはその認識を持ちましょう。
あなたの本気は、全国レベルで見て本当に本気と呼べるものでしょうか?
あなたの感覚で言うところの、超超超本気が求められているのかもしれません。
中には「時間じゃないでしょ、大事なのは質でしょ」という声もあります。
質が大事なのは完全同意、その通りです。
でも、全国を見渡したときには「高い質で長時間」やっている受験生もザラにいます。
高い質で8時間の人と高い質で12時間の人、どっちが合格しますか?
分かったらグダグダ言い訳せずに、量も質も高めて、とにかくやりましょう。
やり方が分からなければ、近くにいるプロに相談しましょう。
【参考リンク】