GMARCH以上の受験における英検準1級の活用
2023.10.30
英検を持っていたら受験に有利になる、と聞いたことはあると思います。しかし、闇雲に英検取得を目指しても意味がありません。どの級(スコア)が受験でどのように活用できるのかを把握しておかないと、むしろ入試で不利に働いたり、そもそも使えなかったりという可能性があります。
今回はGMARCH以上の受験において、英検準1級がどのように活用できるかまとめてみました。
MARCH・関関同立専門塾 Studyコーデ 資料請求は<コチラ>
=====
<目次>
■英検利用入試とは
■早慶MARCHの英検利用入試の状況
■英検利用入試には戦略が不可欠
=====
■英検利用入試とは
「英語外部試験利用入試」と言われたりしますが、英検やTOEFLといったいわゆる英語検定試験のスコアを利用して入試にチャレンジできる制度のことです。近年では私立大学の多くが利用するようになってきました。
英検利用入試で英検準1級が使えると、いわゆる早慶MARCHといった難関大学で有利に働きます。
◆英検利用入試の方式
大学によって異なり、主に3種類に分かれます。
①英検のスコアが大学指定の条件のもとで換算される場合 ②換算された得点が実際の入試に加点される場合 ③英語試験免除を受ける資格のみを満たす場合 です。
英検を持っていれば必ず入試の得点に加算されるわけではないため、各大学・学部の募集要項で条件を確認することが必要です。
◆募集枠について
大学によって2種類に分かれます。英検利用入試専用の枠で選考が行われる場合と、英検使おうが使わまいが通常の募集枠で選考が行われる場合です。
前者については一般の方式に比べると募集枠が少なくなる傾向がありますので、過去の入試倍率や合格最低点の確認が必須です。ライバルもそれなりに英語が得意な人たちなので、そこで本当に勝負ができそうかを冷静に判断する必要があります。
■早慶MARCHの英検利用入試の状況
では、早慶MARCHでどのように英検利用入試が取り入れられているのか整理しましょう。
慶應大学以外は英検利用入試を実施しています。
実施している大学も、すべての学部で利用できたり、一部の学部のみで利用できたりと、大学によって異なります。
次に、各大学ごとに具体的な出願基準や選考内容を見ていきましょう。
※下記の情報は、2023年度入試の内容を抜粋しています。必ず最新の募集要項を確認の上で出願などしてください。
<早稲田大学>
利用可能学部・・・商学部、国際教養学部、文化構想学部、文学部
CSEスコアというのは、英語の4技能(Reading、Writing、Speaking、Listening)を総合的に数値化したものです。CSEスコアには英検の合格基準が設けられていて、スコア◯◯点以上で△△級合格、というようにもなっています。2級合格ラインが1980、準1級合格ラインが2304ですので、早稲田大学では2級~準1級にチャレンジできていればOKと考えられます。
ただ、概ね準1級以上を取っていれば英検の恩恵を受けられますが、得点加算を大きく狙うには1級合格が必要という点でハードルは高くなります。
<明治大学>
利用可能学部
一般入試:商学部、経営学部、国際日本学部
全学部入試:農学部、経営学部、国際日本学部、総合数理学部
明治大学では一般入試だけではなく、全学部入試でも利用できます。
【一般入試】
商学部では2級以上取得で英語の配点が通常の倍になりますので、英語に自信がある受験生であれば得点源にすることができます。経営学部のように得点加算されるには、スコアが2467以上必要ですが、準1級の合格ラインが2304ということを考えると、準1級取得はマストであるだけでなく、かなり英語が得意な層が集まることが予想されます。
【全学部入試】
受験資格を満たせば英検スコアが換算されます。80点・90点換算については、2級合格時のCSEスコアが使われることに注意が必要です。他の級で基準のCSEスコアをクリアしていても換算対象にはなりません。また、準1級取得で得点が満点換算になることを考えると、準1級取得がかなり有利になることがわかります。
<青山学院大学>
利用可能学部・・国際政治経済学部、総合文化政策学部
CSEスコア2100というのは、2級合格ラインが1980、準1級が2304なのでちょうど2級~準1級間のレベルになります。そのため、準1級取れていればクリアしていることになります。青山学院の一般入試は共通テストと大学独自の問題を組み合わせていくので、共通テストで高得点をとり、英検で準1級が取れていれば合格に近づけます。
ちなみに国際政治経済学部については、一般入試だと社会が25点、国語が25点、英語が50点に換算されて合計100点で計算されますが、英検を使えば社会なしで、国語40点、英語60点と配点割合が変わります。国語と英語で点数が取れれば有利に働くというわけです。
<立教大学>
利用可能学部・・・全学部
立教大学は全学部で英検利用ができます。大学が制作する英語の一般試験はなく、共通テストや英検などの検定試験のいずれかの得点が採用されます。
自分が共通テストでどれだけ得点できそうかを考慮し、英検の利用有無を決めていくのがよさそうです。準1級の合格ラインのCSEスコアが2304ですので、準1級取得でおよそ85%の得点換算となりますが、毎年この換算値は変更されていますので、最新の入試要項を必ず確認してください。
また、CSEスコアの換算基準は大学から上記のような大枠しか公表されていないため、例えばCSE2350が何%換算になるかという細かい換算値は不明です。
<中央大学>
利用可能学部
経済学部、理工学部、文学部、総合政策学部、国際経営学部、国際情報学部
早慶MARCHの一般入試の中で、中央大学は英検利用ができる学部数が多い大学の1つです。
経済学部では、2級以上の受験歴と、CSEスコア1728(準2級合格ライン)で出願資格を満たせるので、準1級が取れていなくてもチャレンジ可能といえます。しかし、得点加算までのメリットを見ると、CSEスコア2000点でも150点中の95点と約6割にしか換算されないため、合格点には足りません。やはり準1級を取得しておくことで合格が近づくことがわかります。
また、得点換算基準となるCSEスコアが部分的にしか公表されていないため、一般入試の得点率を考慮して出願を決めていく必要がありそうです。
<法政大学>
利用可能学部(一部、学科指定あり)
法学部、文学部、経済学部、社会学部、経営学部、国際文化学部、人間環境学部
現代福祉学部、キャリアデザイン学部、スポーツ健康学部、情報科学部
デザイン工学部、理工学部、生命科学部、GIS(グローバル教養学部)
法政大学でも多くの学部で英検を使った入試が行われており、出願資格を満たせば当日の英語試験が免除される学部がほとんどです。
英検が得点換算されるのは、グローバル教養学部のみで、1級以上取得で140点、準1級以上かつCSEスコアが2500点以上で130点加算されます(満点150点)。
表を見る限り、準1級を取得しておくことで文系学部では試験免除の恩恵を受けることが可能です。
ただし、英語が免除になるということは、他の入試科目での勝負になると言うことですので、そこに自信があるかどうかが出願の判断基準になりそうです。
■英検利用入試には戦略が不可欠
英検準1級を取得することで、早慶MARCHを受験するときに有利に働く可能性があることがお分かりいただけたと思います。
しかし、準1級はそう簡単に取れるものでもありません。ましてや高校3年生で英検にチャレンジするとなると、他の受験科目の勉強時間を削ることにもなり、受験勉強が回らなくなるリスクも考慮する必要が出てきます。
そうならないようには受験を熟知したプロ講師とともに、戦略を練っていくことが必要になってきます。
Studyコーデでは、限られた時間で最大限の効果を出すカリキュラムを用意しています。ご興味あればぜひお問い合わせください。
お問い合わせ→ https://studycoorde.com/contact/