大学受験の塾・予備校にはいつから通うべき?【プロが勧める勉強開始時期】
2023.5.15
Studyコーデでは高校1年生、2年生、3年生、浪人生を対象としています。
そんな中、よくお問い合わせいただくのが、いつから塾・予備校に入るべきでしょうか?というものです。
今回はこの「いつから」という疑問にお答えしたいと思います。
高校生の保護者様の想いとして
・いけるならいい大学に行ってほしい
・そのために受験勉強はしっかりやってほしい
・ただ、やる気がなく適当にやるなら塾費用など払いたくない
・子どもの本気度が感じられたら、塾代も出して応援したい
などなど、子どもの将来や、納得できる出費のかたちや、適切なタイミングを色々と考えてしまうのは当然のことと思います。
また受験生自身も、周囲の友達が塾に通っているけど自分はまだ大丈夫かな?いやそろそろ通うべきなのかな?と不安や焦りを持つこともあるでしょう。
そんな迷いに対して、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
理想:早ければ早い方がいい
まだ本人が本気になっていないのに通わせるべき?
通う以上、ちゃんとやる環境をつくって脇を固めるべし
結論
理想:早ければ早い方がいい
まず最初にお伝えしなければならないのは、当たり前なのですが「受験勉強を開始するのは早ければ早い方がいい」という事実です。
特に、難関大学に合格したいという希望を持っているのであれば、時間はなおさら必要になると思ってください。
よりレベルの高い大学に合格するために必要なことは何でしょうか?
色々と必要な要素がありますが、代表的なものを簡単に並べるならば
❶幅広い知識
❷速読力
❸(応用的)思考力
といったところでしょうか。
❶幅広い知識
早慶上智の英語長文を見て、高校1年生や2年生がまず最初に発する言葉は「えー、知らない英単語がいっぱい・・・」です。
同じく早慶上智の世界史の問題を見て、受験生が発する言葉は「え・・・こんな人物名とか地名って教科書に載ってたっけ?」です。
つまり日東駒専よりもGMARCHで、GMARCHよりも早慶上智の入試において、より一層細かく、大量の知識が必要になってくるわけです。
では幅広い知識を身につける(=大量の暗記作業を行う)ために1番重要なものはなんでしょうか?それは間違いなく「時間」ですよね。
❷速読力
昨今の入試問題、特に英語の試験は時間との闘いだとよく言われます。
センター試験時代からそうでしたが、新しく始まった共通テストを受験して、多くの受験生が漏らした言葉が「時間が全然足りなかった・・・」です。
英語では英文の文量が増え、社会科目では資料をちゃんと読むべき問題が増え、とにかく短い時間で素早く処理する力が求められるようになってきています。
では速読力はどうしたら養えるのでしょうか?
それは圧倒的な「慣れ」です。筋トレのように、長い時間をかけて練習を繰り返し、少しずつ少しずつタイムを上げていくのです。陸上選手や水泳選手と一緒です。
「時間」をかけて練習することで身につくスキルである以上、やはり「早い時期から開始」しておく必要があります。
❸(応用的)思考力
こちらは❶❷と比べると、やや抽象的なものになってしまいますが、近年の大学受験では「考える力」が求められています。
とは言っても、これはピンキリで、例えば「自分の意見を書く」「複数の資料の内容を総合して結論を導く」「正解選択肢が複数あるものを全て選ぶ」など、各入試問題によって問われ方や難易度はまちまちです。今後各大学が様々な工夫を凝らして問題を作成し始めるであろうことも予想されています。
まずは知識をインプットし、その知識を繋ぎ合わせて問われていることに答える力が、以前よりも強く求められています。
そして、結局これらの問題に立ち向かっていくための真の力をつけていくためには「時間」「慣れ」が欠かせない要素となってきます。自分の意見を述べるような問題は、一朝一夕ではできるようになりません。日頃から訓練をしておかなければなりません。受験直前に慌てて対策してできるようになるものではないのです。
以上のことから、まず「いつから塾に入るべきか」という問いに対する回答の大前提として「早ければ早い方がいい」ということをお伝えしておきます。
そんなことは分かってるよ!という方々も多数いるでしょう。
ではそんな方々がなぜすぐに塾に行かず、いつから塾に通うべきか迷うのか、理由として頻繁に耳にするのが「まだ本人がやる気になっていないので・・・」という話です。
まだ本人が本気になっていないのに通わせるべき?
さて、保護者の方が受験生本人を見て、受験対策をさせたいけど本人にやる気がなさそう・・・という場合、どのような判断をするのがベストでしょうか。
高校3年生になったらさすがにどこかに入るとして、高1・高2で本気度が低い場合にどのような選択をすべきでしょうか。
私が提案するのは「スモールステップで始める」という内容です。
【推奨スタイル】
頻度:週1回or2回
科目:英語はマスト
管理:テストを必ず実施させる
ゴール:勉強習慣の確立と基礎力づくり
高3になれば週3回程度の塾・予備校への通塾が必要になります。
それを高1,高2のうちは頻度を落として通っておくという提案です。
ほとんどの高校生にとって、受験勉強は「嫌なこと」です。
部活に熱中したい、遊びたい、恋愛したいなどなど、他に色々やりたいことがあるなかで、勉強の優先順位は下の下でしょう。
しかし、勉強を全くやらなくていいと考えている高校生もまた、ほとんどいないのです。大学進学というものが視野にある高校生にとって、勉強が避けられないものであるということぐらいは自覚できています。
つまり彼らの感覚からすれば「負担がない程度で日常生活の中に勉強が入ってくるのであれば問題がない、むしろやっておいたほうがいいかもな」といったところなのです。
さて、そんな高校生とうまいところで折り合いをつけて受験勉強を開始してもらうにあたってオススメなのは「週1回or週2回」のスモールステップで始める塾・予備校通いです。
できれば週2回。部活などのスケジュールの忙しさによっては週1回ぐらいが理想です。
高1・高2のうちに塾・予備校に通ううえでゴールにしなければならないのは「勉強習慣の確立」と「基礎力づくり」です。
いきなり学校の定期テストの成績が上がると思っている親御さんがいますが、それは間違っています。もし学校の補習塾のようなところに行くのであれば、学校の成績が上がってしかるべきです。しかし受験のための塾に通わせるのであれば、そこでの勉強内容と学校の定期試験範囲は必ずしもリンクしません。
それなのに子どもの学校の成績を見て、塾に行かせたことが無駄だったと子どもを責めれば、たちまち彼らはやる気を失い、勉強しなくなります。
第一目標はいよいよ受験学年という高3になったときのパフォーマンスを最大化するための「勉強習慣の確立」と「基礎力づくり」です。
勉強習慣の確立とは、平たく言えば「机に向かって勉強を続ける忍耐力をつけること」です。高3からいきなり塾に入って受験勉強を始めた受験生が最初につまずくポイントが「勉強を続けられない」という点です。文字通り、机に座って数時間勉強を続けるという行為ができないのです。すぐに席を離れたり、スマホをいじったりしてしまいます。勉強という行為の習慣がなく「慣れていない」のです。これはたとえ本気度が高く、やる気満々の高3生でも同じです。慣れが必要です。
しかし高1・高2から多少の習慣があれば、高3になったときの過密スケジュールをこなせる傾向にあります。
通う以上、ちゃんとやる環境をつくって脇を固めるべし
そしてもうひとつ欠かせないことが「テストによる管理」だと考えています。
週1、2回の頻度で早くから塾に通っていれば、自動的に勉強習慣がつくられるかと言えばそうではありません。
簡単に言えば、勉強せざるを得ない環境がなければ、ただ漫然と塾に通うだけで、自宅学習等の勉強習慣は全然発生しないのです。
そこでカギとなるのが「テストの存在」です。
「今度の授業で前回の復習テストがある!」という状況であれば、そのテストに向けた勉強をせざるを得なくなります。つまり塾の授業時間以外で、勉強せざるを得ない環境が創り出されるわけです。
また、テストの点数が出れば、自分の弱点の可視化にもなり、次のアクションを変えることもできるなどメリットが豊富にあります。
これは何で決まってしまうかと言えば塾・予備校側の思想や仕組みです。
残念ながらテストなどがなく、ただただ決められたコマ数の授業が淡々と続く塾もあります。生徒は通っている事実に満足してしまい、勉強習慣が身につくことは稀です。
または宿題や小テストのような制度があるにも関わらず、講師が大学生で緊張感のない友達のような関係性になっているケースも危険です。「べつにテストが出来なくても大丈夫、怒られないし」などと生徒が思ってしまうと、その時点で効果はありませんし、勉強習慣の確立も難しくなります。
スモールステップで受験勉強を開始するとは言っても、やるからにはきっちりやらなければ意味がありません。
保護者の視点で言っても、効果のない塾に安くない費用を払うことには納得がいかないはずです。
費用対効果がきちんと見込める体制が整った塾を選べば、高1・高2で本気度がまだまだ低かったとしても、質の高い準備ができるのです。
ということで結論です。
大学受験をすることが決まっているのであれば、塾・予備校に入るのが早ければ早いほどレベルの高い大学を目指すことができます。
高1や高2のうちは勉強習慣の確立や基礎力を身につけることを目的に、生徒本人が嫌になってしまわない程度の負担感で始めましょう。
ただし費用対効果をしっかりと追求すべきであり、その点で最大のポイントは小テストの管理が徹底されており、ある程度勉強せざるを得ない環境が創られる塾・予備校を選ぶ必要がある。
参考になれば幸いです。
Studyコーデの資料請求は<コチラ>