【浪人生特有の強みと弱みの克服方法】浪人生の大学受験の心構え

大学入試においては、勉強を重ねて知識を増やしていくことと同じぐらい、メンタルを整えていくことも重要です。

どんなに成績が伸びても、本番の精神状態が良好でなければ実力は発揮できません。

 

この記事では特に浪人生の方々に、入試を迎えるにあたって心に留めておいてほしいことを記載します。

これから大学受験シーズン突入という時期に、是非読んでみてください!

 

 

<浪人生の弱点>

◆もう失敗できない・・・・それならどうする?

◆「浪人までしたんだから」という呪いの言葉

<浪人生の利点>

◆昨年の自分を覚えていますか?

◆自信はどこから湧いてくるのか

 

 

◆もう失敗できない・・・・それならどうする?

 

多くの浪人生が抱えている不安、それは「もし次も不合格で、また浪人になったらどうしよう」というものです。

過去に入試で失敗してしまったという意識が強い人ほど、次も同じことになってしまうのではないかと想像してしまうことは自然だと思います。

2浪、3浪と多浪生になってしまうのか、はたまた大学を諦めて専門学校や就職をしなければならないのか・・・各自様々な進路の可能性があると思いますが、いずれにせよ大学合格を目指して本気で頑張ってきた人たちからすれば、避けたいことです。

 

現役高校生はその点、危機感がそこまで強くありません。浪人生活を体験したこともありませんから「失敗したら浪人すればいっか」などと平気で言っている人もいます。

しかし浪人生は「もう失敗できない」「次こそは合格しなければならない」と強く感じている人が大半です。

 

前置きが長くなりましたが、そのような「次は失敗できない」という思考は、試験直前や当日に「強い緊張」をもたらします。失敗できないと思えば思うほど体も頭も緊張し、本来の実力が100%発揮できなくなります。

例えば、普段だったら分からない問題が出たらとりあえず飛ばして次に進むのに、失敗できないと思っている人はそこに留まり、正解を目指してしばらく考えこんでしまいます。結果、時間がなくなって、焦ったり解き終わらなかったり、普段では起きないようなミスが発生します。

 

では、どうすればいいのでしょうか?

 

上記の例で言えば、飛ばす練習をしておくとか色々と対策はあるのですが、具体的ハウツーはさておき、「失敗しても大丈夫だ」という環境を整えておくことが、まず何より重要なのです。

 

そこで1番分かりやすく効果的な方法は「どんな大失敗しても合格できる大学に出願しておく」という方法です。

気合いが入っている人ほど「自分は行きたい大学以外は出願しません」などと強気な出願戦略を採用してしまいがちです。

その心意気自体は素晴らしいのですが、それは逆に言えば「失敗できない環境」を自分で創り出していることであり、自分に相当なプレッシャーをかけていることになります。

これが果たして受験シーズンにプラスに働くかというと、その可能性はあまり高くありません。むしろマイナスに働いたときのダメージのほうが大きいのです。

 

例えば共通テストや2月初旬の、一発目や二発目の試験でたまたま失敗してしまったとき、どんな気持ちになるでしょう?「やばい、次は何としてもうまくいかせないと」「やばい、次は絶対に失敗できない」という気持ちが強くなりませんか?早い人は、もうこの段階から全落ちしたときのことを頭の片隅で想像してしまうようにもなります。このような精神状態は、自分を鼓舞する方向に働くかと思いきや、焦りや不安を引き起こす方向に働くことのほうがほとんどです。結果パフォーマンスが下がっていきます。

 

でも、たとえ自分が興味のない滑り止めの大学だったとしても、合格がひとつあればどうでしょうか?「一応あそこは受かってるし」「まあ大学生になれないわけではないし」などと、ほんの少しでも自分の心に安定や自信をもたらしてはくれないでしょうか?

そして、そういったわずかながらの心の余裕があれば、本命の大学入試に挑むときにも「失敗できない」という背水の陣としてではなく「絶対受かってやる」という前向きな勝ちを獲りに行くという気持ちで向かうことができるのです。

 

現実的には「共通テスト利用入試」で滑り止めを確保してしまうことをオススメします。

・複数回演習すれば自分が大失敗したときの最低得点を想定できる

・その最低点を下回るボーダーの大学に1校出願しておけばいい

・共通利用なので費用は安く、大学まで受けに行く手間もなく、簡単

・あくまで予備校の合否判定システム上だが、共通テスト数日後には合否が把握できる

 

自分が共通テストで40℃の高熱が出ていたとしても合格できそうなところに1校出しておけばOKです。それだけです。

「今年は失敗できない」という浪人特有のプレッシャーから自分を解放しましょう。

 

◆「浪人までしたんだから」という呪いの言葉

 

浪人生やその保護者の方と話していて結構耳にする言葉が「浪人までしたんだから」というものです。

「浪人までさせるんだから、早慶上智には確実に行ってもらわないと困ります(親)」

「浪人までしたんだから、〇〇大学に合格しないとダメなんです(受験生)」

など、実際に聞き覚えのある人もいるかもしれません。

 

気持ちは大変よく分かります。親の立場で考えても、受験生の立場で考えても、それぞれ持ってしかるべき自然な感情です。でもこんな呪いの言葉は絶対に捨ててください

ましてや親が子どもにこんな言葉を浴びせることは不健全極まりない行為です。

浪人をしたら確実に早慶上智に行けるのであれば、日本中の受験生が浪人します。

受験に「確実」なんて存在しません。存在しないものを強いたり、約束させるなんてことは不条理です。

また受験生自身が闇雲な目標で自分を縛り付けることも好ましくはありません。もちろん目標があることは大事なことですが、実体のない目標や義務感のために勉強していても途中で心が折れるリスクが高まります。

 

浪人は、その人が主体的に選択をしたチャレンジです。

学校を卒業し、べつに働くことや専門学校に進む選択肢だってあったわけです。

そんな中、1年間勉強をし、受験に挑むことを選択した浪人生はチャレンジャーです。

何かにチャレンジするときに、その結果が分かっていることなんてあるでしょうか?始めるときから結果が分かっていたとしたらそれはチャレンジではなく惰性です。

どんな結果が得られるかは自分次第。その結果を自分の理想に近づけるために努力を重ねる。自分と向き合って、試行錯誤して、他の受験生よりも1点でも高い点数がとれるように頑張る。これが浪人というチャレンジです。

 

浪人はしなければいけなかったものではなく、自分が選んだ道です。

浪人したから〇〇大学に合格しなければならないのではなく、〇〇大学に合格したいから浪人を選んだのです。

決してやらされるものでも、やらなきゃいけないものでもありません。そんなつまらないことを1年もやるのは時間の無駄です。

自分から主体的に挑戦するからこそ、モチベーションは高まり、勉強の効果も発揮されます。

是非、現役合格した人は人生で1度も味わうことができない貴重な1年間の挑戦を、楽しんでいきましょう。

周りの大人の方にも、挑戦の火が消えないようなサポートをしてあげてほしいと思います。

 

そして、もちろん入試本番でもスタンスは一緒です。

「浪人までしたんだから受からなきゃ」ではありません。

「自分の1年の努力がどこまで通用するか試してやる!」というあくまでも前向きなチャレンジとして挑んでくださいね。

 

そうすれば、強気で自分の実力を発揮し、必然的に良い結果を掴むことができると思います。

 

◆自信はどこから湧いてくるのか

 

さて、「こんな考え方はダメだー」みたいな話ばかりしていると暗くなりますので、浪人生の強みについても記載しておきたいと思います。

 

浪人生の圧倒的な強みとして、その経験値・勉強量があげられます。

現役生は、部活や学校行事や定期試験や様々なイベントがあり、受験前の1年間の勉強量は普通であれば浪人生には絶対にかないません。

 

そして、この経験値や勉強量というものは、べつに現役生と比較しなくても、自分の中で確固たる自信を築き上げてくれます。

 

入試本番前に緊張している人や不安を感じている人の多くは「未来」ばかり見ています。

「分からない問題が出たらどうしよう」「時間内に終わらなかったらどうしよう」などと、誰にも分からない未来のことを考えるから、どうなるか分からなくて不安に襲われます。

 

そんなとき「過去」に注目してほしいのです。

自分が「どれぐらいの期間」「どれだけの量」勉強をしてきたか思いをめぐらせてみてください。そこで思い出されるものたちは、間違いなく過去から今にかけて自分の中に残っている「事実」です。これほど心のよりどころになってくれるものはありません。

すると「分からない問題が出たらどうしよう→たくさんの問題パターンに触れてきたからきっと知っているどれから出るはずだ」「時間内に終わらなかったらどうしよう→何度も時間配分の練習をしてきたからきっとうまくいくだろう」と、過去の事実をもとに気持ちを切り替えることができます。

 

ただ何の根拠もなく「大丈夫、自信を持っていこう!」などと他人から言われても人の気持ちはそう簡単には変わりません。

ですが「過去の自分が積み上げきたものがこれだけあるから大丈夫、自信を持っていこう!」と自分自身が考えることが出来れば、それは強力な支えになります。

 

上記は入試の直前期や当日を思い浮かべて話をしていますが、これはこれから浪人生活をスタートさせる人にも覚えておいてほしい話です。

これから自分がコツコツと勉強を重ねていけば、最後にはとても大きな自信を手に入れることができます。

試験直前の未来の自分が、過去を振り返って安心して臨めるよう、今からの積み重ねを大事にしていってください。

 

自分が積み上げたものだけが、本当に自分を支えてくれる自信に姿を変えてくれます。

 

 

◆昨年の自分を覚えていますか?

 

最後に、唐突ですが、みなさんは昨年の自分を覚えていますか?

1年前の 成績、入試前の心持ち、入試までの勉強量・・・・

 

きっと今の自分と比べると、「未熟だったな~」とか「受験をナメてたな~」とか思うのではないでしょうか。

そう思うということは、それだけ1年で自分が成長しているということです。

 

恐らく浪人をしたことで成績以外に、色々な面で進化しているのだと思います。

私の生徒も「浪人してよかった」「初めて努力という言葉の意味を知った」「自分と向き合うことが大変だけど価値のあることだと分かった」などとよく話をしてくれます。

中には「毎日一生懸命頑張っているのが気持ちいいから、浪人生活を終えるのが寂しい」とか「浪人時代に戻りたい」なんていう生徒もいるぐらいです。

 

そんな生徒たちの多くは大学に入ってからも本当に楽しそうに生き生きと過ごしています。

浪人生活で勉強以外に学んだことを存分に生かして、自分が打ち込めるものを見つけて頑張っています。

 

過去に目を向けることで自信を感じることが出来ることは上述の通りですが、是非試験会場に着いて自分の座席についたら、1年前の自分を思い浮かべてみてください。

成績や知識量だけでなく、試験に対する心持など、他にも自分の変化に気づくことがあるかもしれません。

そしてそれらもまた、試験に臨もうとしている自分の背中を押してくれるものかもしれません。

 

浪人生のみなさんの挑戦がうまくいくことを祈っています!

 

【参考コラム】

浪人生の3月の過ごし方

浪人するか迷ったら読んでほしい記事

 

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