総合型選抜の対策は「いつから」「何を」始めればいいのかを分かりやすく解説
2023.10.13
総合型選抜入試は「年内入試」とも呼ばれる推薦入試の一種です。
大学が作成した試験を受験する一般入試よりも早く選考が始まり、合格通知も早くもらえます。出願時期は概ね9月~11月頃で、合否は遅くても年内には分かります。
では、そのような早期の入試に対して、いつから対策を開始すればよいのでしょうか?そして何を対策しておけばいいのでしょうか?
【目次】 1.いつから→「高校に入学した瞬間から」が正解 2.具体的な対策内容と時期 対策① 評定平均値【時期:高1の最初の定期試験から】 対策② 自己分析【時期:高1のうちに完了が理想】 対策③ テーマを自分自身で探究する=活動実績をつくる【時期:受験直前まで】 対策④ オープンキャンパスなど大学調査【時期:高2の秋まで】 対策⑤ 書類作成や各種試験対策【時期:高3になってから】 3.総合型選抜対策に1つの正解はない
いつから→「高校に入学した瞬間から」が正解
総合型選抜では、様々な尺度で学生が評価されます。基本的には大学が設定しているアドミッションポリシーにしっかりとマッチしているかどうかをチェックしつつ、プラスアルファの意欲や能力や実績や基礎学力を評価する「多面的な人物評価」です。
その大学で学ぶに値する資質やスキルを、高校生活でどのように培ってきたのかは大きなポイントになります。
よって、対策は1日でも早く開始したほうがよく、高校入学の瞬間から準備が始まっているといっても過言ではありません。
高1,高2の過ごし方を間違えると、出願すらできなくなる大学学部はたくさん存在します。
では何から対策しておけばいいのでしょうか?
実施しておきたい「対策内容」と、その「時期の目安」を下記に一例として紹介します。
具体的な対策内容と時期
対策① 評定平均値【時期:高1の最初の定期試験から】
多くの大学学部の総合型選抜入試において、出願要件となっているのが「評定平均値」です。学部によっては「国社の評定平均3.5以上」「英語のみの評定が4.0以上」など、要件が限定されている場合もあります。
やはり大学側も基礎学力が確かな学生を入学させたいわけで、このような条件が課されるのは当然のことでしょう。
そしてご存じの通り、評定は高1からの積み重ねです。毎回の定期試験が勝負となり、その成績が評定に反映されます。
高3になって慌てて定期試験を頑張っても手遅れです。総合型選抜の受験を視野に入れるのであれば高1の最初から定期試験対策は怠らないようにしましょう。
もしも高1の時点で出願したい大学学部が決まっており、その出願要件に評定平均値がなければ、そこまで意識して対策する必要はないかもしれません。
しかし、高1時点で志望校が決まっている人はあまり見かけることがありませんし、自分の志望校が変わる可能性も含めると、高1の最初から定期試験での成績にはこだわっておいたほうが確実です。
対策② 自己分析【時期:高1のうちに完了が理想】
評定対策も含め、総合型選抜の対策を進めていくうえでは「自分が何をしたいのか」「志望大学学部」が早期に決まっているほうが効果的な対策を実施することができます。
そこが決まれば、その出願要件に合わせた勉強の仕方、活動実績の蓄積、過去問対策ができるからです。
では、「自分がやりたいこと」「志望校」はどうすれば決められるのでしょうか?
細かい内容は別の記事に掲載しますが、まずは「己を知る=自己分析」が必要になります。
・自分はどんなことに関心を持つ傾向があるか
・自分が嬉しいときはどんなときか
・自分はこれまでどのような強みを発揮した経験があるか
・どんな世の中をつくりたいか
・どんな人物に憧れを抱くか
などなど、まだまだありますが、様々な側面から自分を客観的に見つめ、自分自身が大学で学びたいことや社会に貢献したいことを少しずつ具体的にしていきます。
そうすることで、それに見合う大学学部を選ぶことができ、そこに合格するための具体的な対策プランを練ることができるわけです。
やりたいことが既にある人にとっては簡単、ない人にとっては結構苦労するポイントになりますが、早いうちから自己分析をおこない、進路を絞っていきましょう。
自己分析が完了し、やりたいこと・学びたいことが絞れて来たら、やることは2つ、
対策③やりたい、学びたいことを自分なりに深める
対策④やりたい、学びたいことが実現できる大学を探す
になります。
対策③ テーマを自分自身で探究する=活動実績をつくる【時期:受験直前まで】
自己分析を通して自分の学びたい内容や実現したいことが決まってきたら、次はそれを深めていきましょう。
「え、大学に入ってから学べばいいんじゃないの?」と思う人もいるかもしれませんが、それでは合格はできません。
例えば、自分が地方の過疎地域に住んでおり、地方創生について学んで、地元を活性化したいというテーマを持っているとします。
それを熱意をもって総合型選抜入試でアピールするわけなのですが、どのような試験になるか想像してみてください。
様々な試験スタイルがありますが、例えば書類であれば「自己アピール1000字」などがあります。自分が学びたい地方創生について、何の勉強も活動もしていない人が1000字書けるでしょうか?
例えば面接であれば「今まで地元の活性化のためにどんな活動をしてきたの?」などと質問されます。何もしてこなかった人が何を話せるでしょうか?
「本気で学びたいことがあるのであれば、もうそれについて高校時代から少しずつでも探究や活動をしてますよね?本気でやりたいことですもんね?」というのが、大学側の基本的なスタンスです。
高校生の自分、大学生の自分、社会に出た自分の中に、一貫した軸があることが非常に重要です。
どのように学びを深めればよいのか、どのような活動実績の作り方があるのかは別の記事を読んでいただくか、お問い合わせください。
ただ「実績づくり」という安易な発想ではなく、自分がやりたいことと徹底的に向き合うという姿勢が何より大切であることは忘れないでいただきたいところです。
対策④ オープンキャンパスなど大学調査【時期:高2の秋まで】
対策③と同時並行で、志望校を具体的に決定していく作業も必要です。
そのためには、どのような大学学部があり、どのような大学教授が在籍しているのかを調査して知る必要があります。自分が学びたいことを存分に突き詰められる環境を見つけましょう。
そこで最も早いのは大学のホームページを閲覧することです。現在では様々な情報がインターネット上に公開されていますので、かなり重宝します。
Studyコーデの生徒には、大学学部だけでなく、教授陣のプロフィールや、教授が発表している論文などまでもリサーチさせることがあります。
そしてオープンキャンパスの機会を活かし、実際に足を運んでみましょう。例年夏と秋に開催されますので、できれば高1の夏から色々と見ておきたいところです。
ただキャンパスを歩くだけでなく、公開授業などがあれば積極的に参加しましょう。
詳細は長くなるので書きませんが、他にも色々な情報収集の手段があります。時間はかかりますが、手広く調査をすることで理想的な志望校と出会える確率が増えていきます。
また、面接で志望理由を語るときにも自分の言葉でしっかりと話せるようになるでしょう。
対策⑤ 書類作成や各種試験対策【時期:高3になってから】
そして最後に実施しなければいけない対策が、志望校の試験内容に合わせたテクニカルな試験対策です。
募集要項が発表されるのを待って、試験内容を確認し、それに即した対策を練っていきます。もちろん併願を検討していれば、その大学学部すべてに対してです。
書類や小論文など、文章を書くものは、必ず第三者に添削をしてもらいましょう。
プレゼンテーションや面接についても、ある程度の準備をしたら、どんどん第三者と練習をして改善していきましょう。
こういった部分は、なかなか一人では対策が難しいため、塾を活用するのも1つの方法です。
Studyコーデでも高2までは随時無料で相談にのるというかたちで自己分析や志望校探しを手伝い、高3になってから希望者に小論文や面接の対策をカリキュラムとして提供しています。生徒ごとに異なりますが、最後のテクニカルな対策は3カ月程度を目論見、授業料は15万円のみです。
総合型選抜対策に1つの正解はない
いかがでしたでしょうか。総合型選抜の対策の流れと時期の大枠のイメージを持っていただけていれば幸いです。
もちろんこれ以外にも細かい対策が必要となります。例えば英検を取得したほうが有利であれば対策します。
また高1から始めなければ絶対に不合格になるわけではなく、高3の夏から対策して合格ができた子も多数います。
総合型選抜は多面的な人物評価であるだけに、その対策にも唯一の正解はありません。生徒一人一人の個性や強みによって、アピールの内容や仕方も大きく変わります。ただしそれを高校生が自分自身で見極めることはなかなか難しいので、積極的に家族、教師、塾などの第三者を活用しましょう。
Studyコーデは完全マンツーマン指導で生徒に合わせたカリキュラムを作成しています。一般入試との両立に特に力を入れていますので、一般入試の対策を確実に準備しながら総合型選抜にチャレンジすることができます。
ご興味がある方はお気軽にお問い合わせください。